屋久島フィールドワークを実施しました

8月18日(月)から22日(金)の5日間、SSH屋久島フィールドワークを実施しました。今年度は、2年ぶりに埼玉県立春日部高等学校と合同で実施し、各校から10名ずつ計20名が参加しました。生徒は屋久島の生物や地質などに関して、各々が設定した研究課題に沿って実地調査を行いました。

1, 2日目は、屋久島の特徴的な気候や生態系に関しての学習を行いました。屋久島は東京23区の約8割程度の広さながら、標高1936 mを誇る宮之浦岳を擁しており、亜熱帯か亜寒帯までの気候がひとところに見られます。資料館を訪れたり、世界自然遺産に登録されている地域に足を踏み入れたりしながら、その特異性について知識と五感で会得しました。山道を歩く途中には、ヤクシカやヤクシマザルの群れや昭和期に人間が居住していた跡、植生の変化に伴う森林のグラデーションを目前にし、想像以上の大自然に心を奪われる時間を過ごすことができました。

3, 4日目は、屋久島の各地に分かれて、本研修のメインのプログラムである個人調査を行いました。山林の中でコケ植物や土壌について調べたり、海岸地域で海浜堆積物や植生について調べたりと、それぞれの調査に時間を忘れて夢中に取り組んでいました。一方で、大雨に見舞われた時間帯もあり、思うように調査できなかったと声を漏らす生徒もいました。4日目に続けて5日目も個人調査を行う予定でしたが、台風12号の影響のために予定を変更して実施しました。悔いの残る研修に感じた生徒もいましたが、この5日間、大きな怪我や体調不良もなく、生徒全員がプログラムを完遂できたことが何よりの成果だと言えます。

9月27日(土)には、一緒に研修を行った春日部高校の生徒と成果発表会を実施する予定です。これから、得られたデータに対して分析を進めたり、こちらでできる追加調査を進めたりする作業に移ります。研修中に得たものを成果として報告することで、思い出を理解とともに深めてほしいと願っています。

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